大人になっても、結婚しても、お母さんになっても。

「食べ方は生き方」「毎日を好きなことだけで埋め尽くす」「家=最高に居心地のいいお城」がテーマ。 結婚3年目の幸せな日々を、千葉の小さな食卓からデザインしています♪

映画評■□「沈黙-sirence-」を観てきた。

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小説の二周目を読みながら。。。

 

 

原作小説が面白かったー!!

という作品は、基本的には映画になっても観に行かない主義なのを

今回はイレギュラー的に見に行ったのでちょっとドキドキ。

 

 

 

(映像を見てしまうと、自分の中のイメージに上書きされてしまうし

がっかりしてしまうのもいやで、、、)

 

 

 

しかし、

この懸念は取り越し苦労に過ぎなかった。

 

 

 

 

理由は以下の2点で

 

◆映画と小説が、まったくの別物だった

→いろいろ感想あるので一概に言えないが、少なくともわたしはそう感じた

 

◆小説の情景描写の力が素晴らしく強力で

映像に上書きされずに済んだ

→つまりは、小説の方が圧倒的に良かった!!

(マーティン・スコセッシ監督ごめん)

 

 

 

【原作から見た映画への感想】

◆原作では随所に感じた日本人の気高さが、映画でごっそり取り払われて描写されてしまっていた。

 

◆原作で複雑で微細なニュアンスを訴えてきていた"フェレイラの絶望"が、なんだか軽かった。

 

◆原作では、日本人信徒のひとりひとりへの愛着が湧くような演出がなされていたが

映画では個々人のキャラクターを描くことが省略されていた。

(原作で印象的だった日本人信徒たちが完全にモブキャラになっていた)

 

◆原作と脚本で異なった点で残念だったこと1

原作:井上奉行は満を持して登場する&最初の印象は温厚で優しそうな人物であった

映画:井上奉行がさっさと登場&最初からなんかハナにつくイヤなやつだった

 

◆原作と脚本で異なった点で残念だったこと2

原作:モニカたち信徒が船から落とされ、ガルペがそれを追いかけて波に飲まれて殉教

映画:モニカたち信徒が船から落とされたのち、役人たちが上から抑え込む&追いかけたガルペのことも、ともに沈める描写

→冒頭に書いた、日本人の気高さが抜かされて悪意すら感じる描写で残念だった

 

◆日本人信徒たちが英語流暢すぎた。。。

(リアリティのなさ)

 

◆語り手が終始変わらずロドリゴであること

(原作は、最初ロドリゴの手紙=ロドリゴ目線→後半は第三者目線に切り替わるのが

付かず離れずの良い演出になっていた)

 

【映画作品としての感想】

◆音楽を一切使わず、自然音で世界観を作っていた点。


◆カメラワークはさすが!!

 

浅野忠信さん演じる通辞が素晴らしかった。

この演技を見るためにこの映画を見た、と言っても良いくらい。

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(画像はネットよりお借り)

 

◆脚本は残念だったが、モキチはじめ信徒たちの演技が素晴らしかった。

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(画像はネットよりお借り)

 

 

◆演技と相まって、モキチたちの殉教シーンやキチジローの家族の焚刑シーンは

胸を打つものがあった。

(モキチたちの殉教シーンは、映画中盤にも関わらず鼻水垂らしながら暗闇でそこそこ大泣きした涙)

 

【その他】

◆大好きな俳優である窪塚洋介さん演じるキチジローに注目していたが、

感想として「演じるの難しそう、、」といった感じであった。

(いや、決して窪塚さんの演技が悪かったというわけではなく、、、

たぶん、演出の問題な気が。)

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(画像はネットよりお借り)

 

 

 

総じて

やっぱり原作の方がよかったー!

 

 

というのが率直な感想なのだけど

映画を観て改めて感じたこともあったし、

浅野忠信さんと窪塚洋介さんの素敵な俳優っぷりを見れたので良かった!(ん?笑)

 

 

今日はここまで!

 

 

原作と映画を通して、

日本的考え方と西洋の考え方の大きな違いにも気づいたのだけど

それはまた近いうち別記事で☆